マタイ受難曲

いつだったか私は、「西洋音楽では、バッハの「マタイ受難曲」がいちばん偉大な音楽だと思っている。西洋音楽から、一つだけとるというのなら、これをとるだろう」と書いたことがある。この考えは今も変わらない。

芸術(つまり、ものを考えてつくる営み)と芸術をこえた精神の最高のものにいたるまでのあいだで西洋の音楽の成就したすべてが、あすこにあるというのが、私の考えである。

これが、私の最高の音楽である。(吉田秀和・「私の好きな曲」)



何が苦しかったのだろう。

毎日、毎日、このマタイ受難曲を聴き続けていた時期があった。

こんなにも重々しい音楽を。

そう、毎日、毎日。

そんな日々が1年半ほど、続いていた。

そんなこともあった。

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